「千の風になって」は多くの人を大空へ駆け巡らせた。
あの死者の歌が……。
「あれはお父ちゃんの歌やね」という娘。
それから「千の風になって」は、遺族にとり、聴くたびに亡き父を偲ぶ鎮魂の歌となった。
なるほど風のロジックだ。
生者と死者の間を吹き抜ける隙間風。
そこへifという石のロジックを加えたらどうなる。
「千の風になって」は、生前にいつも父が歌っていた歌だとすると、その家族にとり、耳を塞ぎたくなるくらい、哀しく耐え難いメロディーになりはしないか。
亡き母と長時間のドライブをした時、必ずかけた「八雲琴」という琴の音楽がある。そのメロディーは、あまりにも生々しい。
辛くなるので、母の死後、聴けなくなった。
こういう心情も情理だろう。
変らないのは、恒常。
無常こそ公理、そして石のロジック。The only constant is change.
西洋諸国はこの石のロジックと共に文明を築き上げてきた。
このロジックや数学のルールを無視すると、日本人好みの感情的議論(アーギュメント)は口論(ケンカ)にエスカレートし、インターネット上で炎上を誘発させる。
風が火を煽るのだ。
それを食い止めるのは、ディベートの基本である石のロジックだ。
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