ネットで議論すればケンカになる。
掲示板は落書きの場。
2ちゃんねるは品格のある人が覗くものではない。
品格をかなぐり捨てないと参加できない衆愚の集まりなんて…。
こんなことは耳にタコができるくらい聞いた。
しかし、なぜネットになると議論が口論(ケンカ)になるのか、論理的に解明してくれた人に遭ったことがない。
ネット上の議論にも、紳士の知的スポーツといわれるディベートが必要であると私は言い続けているのだが…。
岩田宗之氏による『議論のルールブック』(新潮新書)という本がある。よく売れているらしい。
建設的議論を望む大勢の人に読んでもらいたい本だ。分析が冴えており、文章が平易で、しかも、いやだからこそ、ロジカルである。
それに、インターネットの便利さに潜む恐ろしさが非常によくわかる。
だからこそ、議論にルールと品格(マナーを初め、あらゆる倫理的ルール)を加えたディベート教育(とくに日本語による)の普及を急がねばならないと痛感した。
『議論のルールブック』から引用する。
―― インチキ理論の提唱者は、結論がまずあり、それを証明しようと理論を構築します。そのため、様々な事実を自分の都合の良いように解釈して、自説が正しい証拠としてしまいます。それらの事実に別の解釈ができるということを考慮しません。(P.33)
英語ではbeg the questionという。自説が正しいことを(根拠・正当な理由なしに)当然と考え、論理の要点を避けようとする。beg the questionは、論点をはぐらかす卑怯な論法で、ディベートでは禁じ手となる。
『議論のルールブック』という題名に魅かれてこの本を手に取った。
さて、肝腎の「議論のルール」だが、公人を除き、基本的に匿名で集うネット社会では、正々堂々を謳っても、ルールを成立させるための「リング」が確定されないから、いつ、誰が反則技をしかけてくるかわからない。そんな場で建設的な議論は可能なのか?
私はディベートにその可能性を見る。
国際ディベート学会(IDNA=International Debate Negotiation Association)は、ディベート(知)に交渉(行)を加え、ディベート学を実業≠ノまで発展させた組織で、今後とも社会人向けのディベート道(行)を進化し推進していくつもりだ。
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詳しくはこちらへ→ http://www.naniwa-debate.jp/index.htm |