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人はなぜ、トップ・テンにこだわるのか

ご他聞にもれず、私も大のリスト好きである。
年末になると、そそくさと今年の10大ニュースのリストアップにとりかかる。
日記に10大ニュースを書く習慣は数十年続いている。

なぜトップ・テンか。昨年末のTIMEのエッセイ(The Power of 10)に、その10の理由が挙げられていた。

   
10. 神が命じるのだ。−God Made Us Do It. ヤーウェ、ブッダが有名なlist makers。(そして人間がlist readers)
   
9. 言葉は最低、数字が最高。−Words Suck! Numbers Rule! words suck(言葉はサイテー)とは驚いた。You Tubeにしても言葉よりリスト(数字)が優先している。
   
8. リストはウエブ時代の人気者。−They’re Web-Friendly. リストそのものがブログ的(bloggy)なのだ。クリックで何でも手に入る。数字の力。
   
7. ブランド戦略に役立つリスト。−Branding, Branding, Branding! リストほどマーケット戦略に役立つものはない。言葉がブランドとして人目を惹く(catchy)からだ。
   
6.

「どうだい」と人を見下す。−Because That Other Guy Is a Moron.人が阿呆(moron)に見える。リストは権威なのだ。私のリーダーシップ・ディベートの訓練(http://id-na.jp/
は3を基本にしている。「3つの理由」というふうに、3つにまとめあげる実力を評価する。これも権威づけのための戦略だ。

   
5. 人間にけじめを求める。−Because We Crave Justice. 人になぜ謝罪が必要なのか。それは終戦処理を意味するからだ。Everyday is Judgment Day.(毎日が裁きの日)は、日記を書く人にとり逃げられない現実だ。
   
4.

忘年のためのリストアップ。−To Remember (and to Forget). 忘年とは、来年のために反省し、熟考するためのもので、そのためにリストアップすることは、人間の知恵だろう。反省は、次にくる戦略に対する「構え」である。rememberとは「忘れないこと」そしてforgetとは「水に流すこと」である。私はこの4のルールが一番好きだ。日記を書くのは忘れないことと、忘れることの2つの目的を果す積極的で責任のある行為だからだ。

   
3.

宇宙そのものが乱世。−Because the Universe Is Random and Senseless. 宇宙がカオスなればこそ秩序が必要なのだ。このさっぱりワケのわからない世の中にリストアップして秩序を求める行為は実に健気である。

   
2.

人生は短い。−Because Life Is Short. つかの間の人生。なにか生きていたという「証し」が必要だ。それはベラベラ語るより、気の利いた表現をリストアップして語録としてまとめる作業は有意義である。私は師・西山千の語録を執筆中である。

   
1.

「もしも」数字を加えると(Because If You Put Numbers on It…)、あなたは読みたくなるだろう。いくらくだらない内容でも、数字さえ加えると、人は魔法にかかったように読むものだ。

   

1番最後はifが入っているので説得力がある。私の推挙書物のリストは最初20冊だったが、このブログを書いている間に気が変わって、10に絞ってみた。

興味がある人は全文を読んでみてはいかが。↓
http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,1694466,00.html

   
2008年1月7日
紘道館館長 松本道弘