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南方熊楠と語学道 〜 その1〜

田辺市の南方熊楠顕彰館に入り浸り、熊楠に関する資料を読み漁っていると、何度も溜息が出る。
とくに、語学の天才といわれた熊楠の英語が気になる。

Nature誌で彼の入選作品を読む。
格調高い氏の英語を読んでホレボレした。
ところが、こんな英文レターがあった。あまりに間違いが多く興醒めした。
下記に訂正してみた。

Your letter reached me at Yokohama yesterday. I am very glad to hear that you have came(come) back to your own land again.? I am looking forward to see(seeing) you soon and talk over our touring to each other of the last few years.

I have only return(returned) from Formosa last month and may leave here again before long, (.) but(But) before my departure I will call upon you if you cannot come up (to) Tokyo by that time.

Many regards and wish(wishes) to you.
Your sincerely(Sincerely yours)

しかし、まてよ。15年も海外で暮らし、十数カ国語に通暁している熊楠が、こんなにミスが多いはずがない。
そこで、手紙の宛名を見て驚いた。

Dear Mr. Minakataとあり、差出人は、Sun Yat Senとなっている。
これは、孫文が1900年12月11日に、東京で熊楠宛に書いたものだった。

その2に続く。

2008年2月1日
紘道館館長 松本道弘