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早期英語教育より、早期日本語ディベート教育だ 〜その1〜

―― 小学生は、英語力より国語力だ ――

「民主主義はスピーチの権利に非ず。ディベートの義務なり」
―― 国際ディベート学会標語

ディベートは相互理解のための建設的な知的スポーツである。
ディベート道はその意味で、知的武道と言える。
これらの私論を仮説設定型ディベートの立論として提議するので、厳しく叱正を賜りたい。

小学校では英語より、日本語ディベートによって国語力を向上させるべきである。
国語力の強化は、国力(国民、経済、政治、文化的エネルギーの総和)の強化に繋がる。
その主な理由を次の三点に絞ってみたい。

一、
    日本語ディベートは品位あるグローバル思考、そして判(決)断力や志を培う。
二、
    日本語ディベートは母語と母国のアイデンティティー(文化、伝統)に目覚めさせ、健全な誇り(愛国心)を涵養する。
三、
    日本語ディベートは、他国の立場を尊重し、相互検証、相互理解の為の双方向的コミュニケーション能力を鍛える。

但し、ディベートに関しては、世界の標準語である英語で行うのが(環境が整えばの話であるが)理想的である。

(1)ディベートは議論や口論を超えた知的協調作業である。
「小学生に英語教育なんか要らぬ。国語教育が先だ」と影響力のある人がいえば、マスコミに醸し出される空気≠ヘその方向に流れ、それが常識として定着する。

しかしお隣の中国では、今や英語ブームで湧き上がっている。英エコノミスト誌(2006年4月15日号)によれば、国を挙げて早期英語教育に力を入れており、書籍売上の5分の1はなんと英語の教科書らしいという。

これは北京オリンピックのためで、一過性のものだと冷笑したくもなるが、恐ろしいのはこのような国威掲揚を意図した全国的な盛り上がりである。
『クレイジー・イングリッシュ』で国民的英雄になった李陽は、「日本人は英語の下手な国民だ。しかし、日本では英語教育はいいマーケットだ。中国が日本に逆侵略し、我々が彼らに英語を教えてやろうじゃないか」と息巻く。

この盛り上がりの経済効果が恐ろしい。愛知万博が終れば、愛知経済は冷え込むかと思っていたが、それは杞憂に終わった。お祭りによる経済効果は今も続いている。

その2に続く

中国で大ブレイクしたCrazy English動画
→ http://jp.youtube.com/watch?v=5XQFsXtFcJE

 
 
2008年2月15日
紘道館館長 松本道弘