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空気が裁く日本 〜 その2 〜

日興證券の秘書室に勤務していた頃のことだ。
「松本君は、本多勝一とはどんな関係かね」
秘書室にふらっと寄った某取締役は、まるで容疑者を見るような面持ちで、私に話しかけた。

「別に友人ではありません」と答えたものの、本多勝一の『ペンの陰謀』(潮出版社)の冒頭に私の言葉が引用されていたので、深い交流があるはず、と推察されたのだ。

「松本道弘は「詭弁は正論に勝てない」と言った」と、私の発言を巧みに転用して、本文で本多勝一が、イザヤ・ベンダサン(山本七平氏のペンネーム)の説を詭弁と決めつけて、こきおろしたのである。

冒頭に私の引用だから、まるで私が、正義の味方の本多勝一(以下ホンカツ)を擁護する立場に回っているかの印象を与える。そう解釈した人達から問い合わせがあった。遠くはシドニーからも。誓っていうが、私は一度も彼と、話したことも会ったこともない。それなのに。姑息なやり方だ。

ホンカツには敵が多い。ジャーナリスティック・インテグリティー(記者としての節操)を欠くというのが主な理由である。

しかし、ホンカツから「ディベートの勉強を始めます」という感謝の葉書をもらった時は、悪い気はしなかった。なにしろ、朝日新聞の「顔」ともいうべき辣腕記者であったから、オピニオン・リーダーとしては無名無冠の私にとり、光栄としか受け取りようがなかった。
だが今にして思えば…

その3につづく

2008年2月29日
紘道館館長 松本道弘