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狼に魅せられた旅人
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旅人は黙って道を歩く
道中を恐れない 後悔もしない
たぶん道中でいのちもふっと消える それでいい
ふと友が恋しくなる
死ぬ前に、涙が出るまで笑っていたい、その人と
あとは笑うしかないほど、よく泣いたもの
笑っては泣き、泣いては笑う
旅人には、人に言えない過去がある 翳りがある
旅人は傷つけられても、言い訳はしない 孤狼のように
あの群れが懐かしい でも振り返れない
すれ違う見知らぬ人との縁 その一瞬が永遠に
旅人は黙って歩く 道も歩いている
黙っていれば、人も自分も傷つかない
それでも我慢できない時がある
月夜に、吠えてみようか |
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2008年7月18日 |
紘道館館長 松本道弘 |
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