丸山博士のいうごとく、ローマを育てたのは、母親オオカミであった。たしかに、塩野七生が『ローマ人の物語』(新潮社)の中で述べている。
テヴェレ河へ流された2人の男子(ロムルスとレムス)は、母オオカミに拾われ、母乳で育てられたという。この2人の間に不和が生じ、ロムルスがレムスを殺めることになる。
ひどい話だ。
西洋の歴史、そして神話の世界にも、こういう酷い話がいっぱいある。兄弟殺し。狼の世界にはそれがない。とにかく、人の子のロムルスはこの時、18才。彼に従った3000人のラテン人により、ローマが建国されたという。
ロムルスは、まず都市建設を手がけ、神々に犠牲を捧げた。この儀式が、紀元前753年4月21日であったが、このローマ建国記念日は、以後1000年以上も絶えることなく、毎年祝われている。
オオカミのお母さん、バンザーイ。
「ローマ史」を書き続けている塩野七生も、衰えを知らぬメス狼。
名古屋の椙山女学園大学にもディベートのできるメス狼が育ちつつある。
授業妨害をする小中学校の学生(とくに女子学生)を、ピシャリと殴れるのは、女の先生だけだという。男の先生が羊化 ―― 戸塚宏はオオカミのまま ―― し始めている時に、体罰は必要というのは意外に女の教育者(メス狼)に多い。羊の愛はsoft love。狼の愛はオスであれメスであれ、tough loveを信奉する。 |