しかし、私はオオカミ人間。満月の夜、急に夜空に向って吠えてしまう。昼に強いO型とは違って、夜に強いのがA型。こっそりBに思いを馳せる。臭いがする。いや遠吠えに呼応してしまうのだ。
最近会った、オオカミ博士(丸山直樹氏)も、オオカミを復活させるという奇抜なアイデアの持ち主だ。南伊豆に氏を訪れた私はすぐに、「先生はB型でしょう」と問いかけると、「みんなに言われますよ」と屈託がない。
「B型の南方熊楠と同じ臭いがしましたから」といえば、間に髪を入れず、「熊楠はオオカミが好きでしたよ」とすぐに資料を出される。山の神(オオカミ)とオコゼの話にも
乗ってこられる。
もともと鹿の研究家であった丸山博士は、天敵のオオカミを調べているうちに、恋慕が始まり、今では夜空に吠えるオオカミ人間に化身(シェイプ・シフト?)される。狼道という言葉を使った時、「ぼくはドウという言葉が嫌いでね」と、ジャブをかまされる。私が国際ディベート学会の会長と知っていながらも堂々と反論される。
「ドウという型が始まると、固定が始まって危険。これを壊さないと」と、一見破壊的ではあるが、それなりに筋が通っている。私の中にも、柔道より柔術の時の方がより武道的であったと、時にはスポーツ化された柔道に対する呪いを辺りにぶつけることがある。
しかし、ディベーターでもある私は、容易にBに屈伏することはない。
「いや、道(ドウ)は、道(ミチ)を守るためには必要なのです」と。
最近読み出した『The Power of a Positive No』(William Ury)の中で私と同じ説があった。価値観の共通点をYesとすれば、それを拡げる(Yes)にはNoという過程を通る必要があるという。私がA型的に継続こそ守るべき価値観とすれば、B型は破壊こそ進化なりという対立する哲学を建てる。だから建設的なディベートが成立する。
二人の論客のやりとりを側で聞いておられた奥さんが、「同じタイプの人間ね」と口をはさまれた。BとAが会えば、何かが起こる。
Something has to give. だ。
その3につづく
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