故能見正比古氏はB型。よくA型の私の前で、平気でA型批判をされた。
(A型は本人のいないところで批判する)
「そもそもA型の男は浮気がうまい。A型の女も。ぼくはB型だから、くやしいがすぐにばれる。実はこの前も…」と、憎々しげにA型批判をされる。
よほどA型との間で苦々しい経験があったに違いない。
初めてお会いした時(私が40代前半の頃)から、二人は激しい議論をおっ始めた。相手が15も年上の人であっても、血が騒ぐのだ。ディベーターの私は、立論の時から相手を挑発する ―― これも情報収集のため。いや武者修行なのだろう。英語道人生は、英語だけの闘いではない。
たしかこんな立論だった。
……「あんたの悪口を言っていたよ」と言われたら、O型はまず無視。「そう言っている人が、私を誤解している。だから無視しかないでしょう」と。正面衝突好みのO型にとり、無視は最大の攻撃なのだ。
しかしB型は、そう言っている無関係な眼前の人を攻撃する。
ところがA型(とくに女)は、違う。その話を聞いて、暫く黙る。そして声を落として一言。「そう〜〜、それ、誰が言ったの。名前と住所を教えて」と。一番恐いのがA型。……
これは、私のロジックから演繹的に ―― いやスポーティーに ―― 引き出した仮説である。それをちょっとドラマ化して述べたまでである。私の秘技のひとつ。
その時は、能見氏(30年以上血液型気質を研究された学仙にふさわしく、髪の毛は真っ白)は、黙って聞いていた。氏はB型の部下に対してはそう思っていなかったのかもしれない。
評論家的発想は、リスクを恐れないB型人間の専売特許のように思えるが、どうもA型人間のように思考に遊びのない人間はおもしろくない。しかし羊のような柔順さがお好きなようだ。
その3につづく |