ナニワの英語道場で自然発火した、英語道ランキングは、英検より数年前に生まれている。それが話題のベストセラー『私はこうして英語を学んだ』(今は絶版)のランク表により明らかにされた。
同じタイトルで同じ日に発売された本がある。故小川芳男氏によって書かれた英語教育哲学を「表」とすれば、私のそれは「裏」である。小川氏は、実用英語検定試験の立役者で、当然のことながら中央権力やメディアと結びついていた。
大学時代まで大阪で過ごした私は、裏の実用英語 ―― つまり「道」―― の哲学をクチコミで伝播してきた。東京では「道」という発想は産まれない。東のマスコミと西のクチコミの暗闘は、今日まで引き継がれている。
英語道には、権威がない。なんとか省とかNHKといった権威によるお墨付きがないから、人は、英語道のランクは就職に使えますかと聞く。それを聞かれるとナニワ人は弱い。就職活動に使えるかどうかは実用とはいわない。その英語力そのものの値打ちを問うのがナニワ英語道だ。
そういう私も思い切って、英語道検定試験(今のICEE)を始めた。その時もクチコミによるマーケティングにしか頼れなかったので、あまり広がりを見せなかった。ただ今も続いている。細々と…。
そもそも英検(エイケン)と較べて、道検(ドウケン)という響きがよくない。どうもディベートという濁音が私のトレードマークになっている。縄文(裏)人間は、弥生(表)人間と較べて濁音を好む。東北人も。
東京の大学を出、テレビなどマスメディアに進出し、すぐに中央権力に結びたがる若者は、圧倒的に東京の大学出身者が多い。彼らはキラキラ、私はギラギラ。
その3につづく |