私は英語の世界では狼人間だ。英語武蔵よりも、ウエアウルフでいいかなとも思っている。were wolfとは、were(人間)wolf(狼)のことだ。W語は、英語道の基本だ。
羊人間(sheeple)とは、will(本懐)を捨てて、悪魔に魂を売った裏切り者だ。
しかし一神教の神にとり、可愛い存在だ。
「あなたたちは、天国へ行ける。羊のように素直なあなた方は、心の豊かな人なのだから、きっと天国へ行ける ―― たとえ屠殺されても」
羊はYes, sir. としか答えない。英語の勉強は羊が草を食うように、コツコツとやるしかない。Yes, sir. メーメー。このメーメーは英語では、Baaa, baaaだ。山羊も同じ声で啼くが、Baaaadと、dが入っている。「だめだよ、そんな勉強をしては」といっている。
同じメーメー啼いても、素直な羊はbaaaa, yes, sir. と啼くが、不柔順な山羊はbaaadと太い声で啼くがYes, sir. を加えないから、神に嫌われる。
山羊にとりgodは、古英語のgod「祈られる者、呪文で呼び出される者」のことで、先祖や祭司(ケルト族の間に行われるドルイド教の)であったはずだ。キリスト教はそのgodに王冠をかぶせ、Godとした。
つまり、周囲を裁く絶対神になった。ローマを滅ぼす勢力になりえた。(塩野七生著『ローマ人の物語』より)
だから、Sheep go to heaven. Goats go to hell. という最高裁の裁判官になったのだ。神の罰を恐れて、羊たちは柔順に英語を学ぶ。偏差値を上げるための教材、進学塾、入試問題など、与えられた草を黙々と食い続ける。これが世の親たちを安心させる。
いい大学を出たから、幸せになるとは限らないし、受験勉強でいい成績をとっても、ディベートやビジネス交渉に役立つ実用英語が身につかないことなど、知らされることはまずない。
それが羊の幸せであって、いずれ不幸になることなど夢にも思わない。屠殺場に引かれるときになって、私の人生はなんだったのかと、やっと反省し始める。レールに乗っかった過去の自分を。
その3につづく
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