::松本道弘 巻頭言
::例会報告
::松本道弘プロフィール
::紘道館とは?
::英語道とは?
::館長ブログ
::松本道弘 日記
::斬れる英語コーナー
::書き下ろしエッセイ
::松本道弘著作集
::講義用テキスト(PDF)
::松本道弘対談集(動画)
::ナニワ英語道ブログ
::日新報道
::TIME asia
::ICEEコミュニケーション
  検定試験
::ワールドフォーラム
::フィール・ザ・ワールド
 
お問い合わせ先

羊の英語 山羊の英語 〜 その3 〜

山羊は時に夢を見る。「先祖の生活はこんなふうに単調なものだったかな」と疑問を感じ始める。羊はメーメー(baaa, baaa)と啼くが、dがないので、山羊のようにはっきりとBad(それは悪)だと言い切れない。だからディベートができない。

羊はタテの命令に背くことはできない。山羊(goat)は、古英語の時代からG語だから、自然を味方として、一神教の教えにも背く。

だから神は、山羊から羊を選び抜く。良い信者はsheepで、猜疑心の強いgoatsは悪い信者なのだ。牧師のいう通り洗礼を受ければ、パン(イエスの肉体)とブドウ酒(イエスの血)が与えられるのだ。

洗礼を受けなかった私は、キリスト教徒の仲間からはいつも、異端者扱いを受けた。私は、a black sheep in the familyか、goatであったのか。
いや私はwolfで通したのだった。

そんな私に対して、ESS(English Sheep Society)の中のgoatたちが私に近寄ってきた。sheepのように嫉妬深い連中ではなく、この柵外の狼に近づいて、ESSの柵の中に入れて、一緒に英語をしゃべろうよ、と勧誘してくれた。嬉しかった。このlone wolfの私にとって。

羊はいじわると聞く。群団から離れる仲間を裏切り者、いや落ちこぼれという眼でみる。自分も山羊のようなマイペースになりたいと思えば思うほど山羊が許せなくなる。そういう連中は、ESSに入らずに、他の組織に身を置きながら、独りで勉強をする。

受験勉強に満足せず、近くの英会話学校に通う。巷の英会話学校は、柵から飛び出そうとしている山羊を対象としている。
山羊は好奇心が強く、問題意識がある。

その4につづく 

 

2009年3月17日
紘道館館長 松本道弘