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L語の世界 〜 その3 〜

大阪に、植田一三という英語の鬼がいる。英検1級やTOEICのトップを目指す英語教育を目指しているので、あまり儲けにはつながらない。日本ではボトムを狙わなければ客が集まらないのか。

しかし、人の上昇指向を信じて、dumb downはしない方針だと一三氏は主張する。TIMEが読めるような人材を育てたいと私に言う。
だから、ナニワ英語道の元祖、この英語武蔵も、妥協のない(principled)この鬼を応援する。

英語のレベルをアップ(英語ではimproveという)する方法は何か。
英語を教えないことだ。私も英語そのものだけ学ぶことは、人より早く卒業したものだ。テキストからいつも離れていた。このことは、たちばな出版の新書(『英語の学び方』仮題)でくどくど述べている。

英語(を)ではなく、英語(で)学ぶのだ。とくに最近、再び交流が深まりつつある同時通訳界の人々と話をしていると、共通点がある。英語ができてあたりまえ、あとは情報力で勝負する世界だ。英語で物事を学ぶという姿勢が、結果的に、英語力を引き上げるのだ。

みずから英語を学べば、みずから英語力をアップできることは確か。
しかし、英語を通じて、一般教養(liberal artsはこれから重要になる)を学べば、英語はおのずから伸びる。みずからとおのずからは違う。

おのずからは、結果、英語力が伸びる(人間力と共に)ので、自然の道に近い。
ナニワ英語道が目指すのは、こちらの方だ。だから「行」なのだ。継続はself-disciplineなくてはありえない。

筆記試験で英語力を測るのは英語術。独りでもできる。しかし、英語道は、独りじゃできない。お互いに苦労している仲間がいる。自己満足が許されない。淋しく、厳しく、永遠に続くjourneyだ。袖振り合うも他生の縁というではないか。
Misery loves company. だ。

 

2009年4月3日
紘道館館長 松本道弘