ナニワにはプラグマチストが多い。「その英語でメシが食えまっか」という発想だ。「TOEIC900点以上です」と答えても、「なんやトエク?ワシの質問は、それでメシが食えるか、と聞いとるんや」と返されるのがナニワ・プラグマチストのすごいところ。虚飾(エエカッコ)は通用しない。
この「メシが食えるか」をどう英訳すればいいのか。
Does it work? Does your score work?
もうworkでいい。スコアが高いということと、実社会によるコミュニケーション能力とは違う。
実用性というものは、そう簡単に数値化できるものではない。つまり、Does it work? は、「それをアテにできるのか」という問いだ。「血液型気質論は当るか」は、Does your blood-character theory work? となる。
そう、ナニワ英語道の哲学はこれ。Does it work?
また血液型に戻ってきた。ある日の新聞記事。
「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の最終メンバー28選手が決まった」こんな記事はすぐ腐る。しかし腐らないのは、次の部分。
最終メンバー絞り込みの決め手になったのは「血液型」だというのだ。投手13名のうち松井大輔(O型)を初め、O型は3名、A型は9名、AB型1人。B型はひとりもいない。まるで紘道館と似ている。B型はいつの間にか消えていく。また蝶々のように舞い戻ってくる。
B型には垣根がない。昔からA型の私はBに振り回される。
捕手の3名は全てA型。内野手はO型3名、A型2名、AB型1名。A型の原辰徳監督(50)が御しやすい布陣だ。原監督は自分のペースが乱されるB型を排除してしまったのだ。Bはどの組織でも内に入れない。
だから外資系では成功する。すぐに逃げられる ―― 人の眼を気にしなくてもいい。では外は? 外野手6名の中には、B型が一番多かった。ところでイチローもB型で外野手だ。
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