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水の人間

オバマは水の人間だ。負けず嫌いなミシェルの方が火だ。これまでの私の調査が及ぶ範囲内での観察によると、二人は水と火のバランスがうまく保たれている。磁石のN極とS極のように巧くマッチしているのだ。

オバマは政治、ミシェルは家庭を第一優先とし、公職を通じて、夫の協力をする。家庭の絆が磁力の根源になっている。

どちらも「法律」に明るいディベーターだから、棲み分けができる。arguers同士なら、離婚は必至だが、debaters同士なら、離婚、離別、別居のリスクを最小限に抑えることができる。

You and Iはミシェルの好きな言葉。We(二人三脚)はオバマの好きな言葉。W語はwater, woman, womb, waves, すべて上下ではなく、grassrootsを求め、横に横にと広がっていく。水のロジックの特質は、全方位的に、周囲に溶け込み、周囲を清め、癒すことであるからカタリスト向きである。

ユナイトという言葉を好むオバマは、ユウをダブルとしたダブルユーのweで考える。水の人間は、「残心」を怠らず、政治より、オーガナイズをすることが得意であったようだ。アフリカでゴッドファーザー的存在であったバラクの祖父(grandfather)を語る時、彼の眼は輝く。

映画『Godfather』(Part T&U)は何度も観て、感動をしたというのも、彼の水の心によるものだ。名古屋外国語大学の教授であった頃、仲間のデゾニエという米人教授が、私の六角ロジック(『紀要』に書いた)を分析して、私のことをwater personだと明言してくれたことをふと思い出した。どうりで、私がオバマに親近感を感じるわけだ。

 

2009年5月8日
紘道館館長 松本道弘