ジョエル・スタインの辛口のコメントを前回述べた。TIMEもTIME批評をさせることにより意地を貫いた。知らないことは知らないと、正直に述べることは、ジャーナリストとしての矜持(きんじ、きょうじとも)である。
「きょうじ」とは、自分の能力をすぐれたものとして抱く誇り、プライド(ところで「きんじ」は慣用読み)。たしかに、プライド。しかし、英語ではこんな時にprideは使わない。principleかintegrityだ。
スタイン氏好みの英語を述べてみる。
a journalistic principle (譲れない原理原則)
honesty (ウラオモテのないこと)
journalistic objectivity (さめた眼でみるジャーナリスト魂)
そのさめた眼で、物理学者の南部博士をこう評価する。
…… in subatomic physics by Yoichiro Nambu is going to influence my life only if it explains the latest episode of LOST. (P.82)
アメリカの人気テレビ番組『LOST』(今、ホット)の最新エピソードの解説に役立つんなら認めるが…と、ifで限定している。プロ・ジャーナリストは、ifの使い方が巧い。限定が巧い。ifがわかれば英語がわかる。
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