高橋氏は、「不当逮捕も悪宣伝も体制維持のためであり、全て権力構造のカラクリだ」という。「わが国の警察・司法の目的は、日本人を捕らえること。真犯人かどうかなど、どうでもいいことになる」(『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)P.154)
と、歯に衣着せず述べる。
恐ろしいことだ。国策逮捕された植草教授の家族はどうなるというのだ。
私もちょっとした屈辱を受けたことがある。国策ではなく、仲間からの訴えであったから、今も心の傷は疼く。私は冤罪に関して、人一倍敏感である。
かつて戸塚ヨットスクール事件で、戸塚宏校長が殺人容疑でマスコミから糾弾を受けたとき、家族にとり、どれほど精神的苦痛であったか、身につまされたものだ。奥さんが明るい性格の方であったことがせめてもの救いであった。
私はこの体罰事件が一番大きい原因で、名古屋外国語大学の教授職を捨てざるをえなかったのだ。高橋氏の本を読みながら、名古屋外国語大学時代の思い出が走馬燈のように甦った。
松本教授は犯罪者戸塚宏との交流があり、生徒を戸塚ヨットスクールにほうり込み、しかもオウム真理教(当時の組織名)が使ったディベートという手法で生徒を勧誘している、という怪文書が流された。
体罰もディベートも冤罪なのだ。
戸塚弁護にのめり込み、ヨットスクールに泊り込んで調査したことがある。国際ディベート学会では、私がコーチの一人に反対尋問をかけるパフォーマンスをしたこともある。こうして、友人の南出喜久治弁護士を戸塚宏氏に紹介をした。
その4につづく
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