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英語道ゼロ段が行く 〜 その3〜

こういう二人の若き英語サムライと私の間には共通する点がある。強い父親に対する憧れが強い。師とライバルを求め、近づきたがるクセがある。慕うだけなら、だれでもできる。接近するには勇気がいる。この二人には、それがある。私もこの二人のように水と火の心のバランスのとれた、英語武芸者である。

さて、第1回名古屋ICEEが開幕した。
30名の参加。見学者を加え、50名を超えたというから、興業的には上出来。四人のネイティヴ・ジャッジが確保できたのだから。

トヨタの火が消えても、このトヨタ城下町の名古屋人の心意気を燃焼させようと、舞台裏の人たちも歯をくいしばって頑張った。

地検、水検、火検で、やはりカズとモモが頭角を表した。英語のできる参加者が他にも多かったことは驚きだ。50名の観客もカズとモモのどちらがチャンプになるかと両者の英語さばきを見守っていた。

実をいうと、横井純大会委員長と私は、お祭りには盛り上がりが肝腎だから、この両者の対決がドラマになるように期待もし、演出も考えていた。火検のディベートではモモが上で、風検の通訳ではカズが上で、決勝戦では二人がインタビュー対決となった。

今回は交渉ラウンドがなかったので、ジャーナリスティック・インタビューが最終ラウンドになった。二人の質問力とプロ意識が問われることになる。どちらもネイティヴ相手のインタビューだから、stayした見学者(全員がwinするICEEではloserがない。stayかadvanceのどちらか)も、ハラハラ、ワクワクしながら観戦していたはずだ。

いい勝負。ジャッジ会議の間、私はプロインタビューのデモンストレーションを披露し、プロとアマの違いを見せた。私もこのときばかりは緊張する。プロとしての背中を見せつけるのだから。

その4につづく

2009年7月14日
紘道館館長 松本道弘